泡メルヘン水中マクロ写真

Text by 中野誠志


泡メルヘン水中マクロ写真 クジメの幼魚
クジメの幼魚

 

 

メインとなる被写体の背景や前景にある気泡などの点光源の丸ボケを活用する写真を泡メルヘン写真と言います。

 

ミラーレスやデジタル一眼レフを使って中望遠以上のマクロレンズを使用して、開放絞りで撮影します。

近くのものしか撮れませんが、コンデジのマクロレンズやスーパーマクロモードを利用することもできます。

 

うまく撮影できた泡メルヘン写真では、光が溢れるような表現が可能になり、希望や喜びを感じるような写真とすることが可能です。

 

 


泡メルヘン 酸素気泡

 

 

使用するレンズの焦点距離によって、前後にある点光源の距離とボケ具合が変化します。60ミリマクロでも充分可能ですが、100ミリ以上程度の望遠マクロレンズだとやりやすいです。

 

 


<泡メルヘン水中写真の基本>

 

・逆光方向へ撮影する

点光源が輝くように、基本は逆光方向への撮影になります。

 

・開放絞りを使う

新しいマクロレンズは円形絞り採用のものが多いのですが、そうでないレンズではボケが絞りバネの数に応じて角張ってしまいます。

丸い円は優しさを表しますが、角があるとそれが欠けてしまいます。

 

円形絞りを採用してあるマクロレンズなら、多少絞ることもできますが、絞ると丸ボケは比例して小さくなってしまうという問題もあります。

なるべく開放絞りを使いましょう。

 

・シャッタースピードに注意する

開放絞りで逆光方向を撮影すると、カメラのX接点のシャッタースピード次第ではストロボが使えない場合があります。

 

・水中ライトを使用すると良い場合もある

ストロボが使えず、逆光方向への撮影なのでメインの被写体が影になる場合があります。このような場合でも、水中ライトはシャッタースピード制限の影響を受けませんので活用できます。

 

・速いシャッタースピードを切る

マクロ領域での撮影の場合、手ぶれが起きることがあります。

特にストロボを使わない場合は早いシャッターを心がけましょう。

 

 

10年ぐらい前に、クロホシイシモチの稚魚をバックにフィルムカメラで撮影したニシキフウライウオ。気泡以外でも、このようにスカシテンジクダイのような反射率の良い魚や、砂粒のようなものを使うことで、水中写真で点光源ボケを作ることもできます。円形絞りのマクロレンズでまた撮り直したいシチュエーションです。
10年ぐらい前に、クロホシイシモチの稚魚をバックにフィルムカメラで撮影したニシキフウライウオ。気泡以外でも、このようにスカシテンジクダイのような反射率の良い魚や、砂粒のようなものを使うことで、水中写真で点光源ボケを作ることもできます。円形絞りのマクロレンズでまた撮り直したいシチュエーションです。


Text by 中野誠志

 

 

・水中写真 用語集

カメラや水中写真についての専門用語集はこちらをどうぞ。

 

 

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・水中撮影テクニック

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